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    痴漢電車 No.1
    2007-01-11 Thu 11:44
    <Rueの告白>

    OLになって、3ヶ月。
    学生気分も抜けて、社会人としての自覚も
    少しずつ芽生えてきた頃。
    梅雨も終わりに近づき、
    毎日の通勤電車の不快指数も、
    ぐんぐん上昇していた。

    私は、いつも、同じ時間の電車の同じ乗車口に乗ってた。
    これは、痴漢されやすい行為だとは、わかっていたが、
    会社の始業時間に間に合わせるため、
    降車駅の改札に近い乗車口に、
    乗らなければいけなかったのだ。

    一本早い電車に乗れば・・・と思うかもしれないが、
    首都圏のように、頻繁に電車があるわけではなく、
    30分以上の時間の差は、忙しい朝に、
    選択の余地はなかった。

    その日も、あの声が聞こえた。
    「今日も、綺麗だね・・・。」

    二ヶ月位、前からだろうか。
    降車駅に近づき、電車がスピードを緩める頃、
    時々私の後ろから、私にささやきかける様に、
    聞こえる声・・・。
    満員電車で、後ろを振り返ることも出来ない。
    その声の主を確認することが出来ないまま・・・。

    「あ・・・、またあの声!」
    私は、そう思ったものの、
    その声が聞こえても、何かされるわけでもなく、
    不愉快なことを言われるわけでもないので、
    単純に「誰なんだろう・・・?」としか、
    思って居なかった。
    声の感じからして、30代くらいの男性かなぁと、
    感じるだけだった。

    その日も、いつもと変わらず、
    駅に降りて、会社へと小走りした。
    「ふぅ、今日もセーフ・・・」
    始業時間に間に合わせて、席について
    落ち着いたところで、メイクを直しに・・・。
    化粧室へ行こうと思い、
    化粧ポーチを出そうと、バックを覗き込む。
    「あれ・・・?何だろう・・・。」
    バックには、入れた覚えの無い
    名刺大の白い紙が。

    摘み上げて見てみると
    『いつも、綺麗ですね。
     毎朝、貴女に会えることが楽しみです。
               研      』
    と、書いてあった。

    「あ、あの声の人・・・?」
    これが、初めての接触だった。



    <研の告白>

    最近、毎朝の通勤に楽しみが出来た。

    今年の新入社員だろうか、
    通勤電車に、いい女が乗っている。
    流行の服なのか、胸元が広く開いていて、
    谷間がみえそうだ。
    通勤だから、ミニとはいかないが、
    短めのタイトスカートから、
    これ見よがしに、太ももが白くまぶしい。
    最近多いが、ストッキングを履いていない、
    いわゆる生脚だ。
    しかも、顔が俺好みの清楚な顔立ち。
    といって、決して地味な顔立ちではない。

    その娘と一緒になる快速電車の30分。
    満員電車の不快感も、少し軽くなる。

    その娘は、いつも同じ乗車口に乗っているから、
    俺も、毎朝その娘を求めて、同じ電車に乗ってしまう。
    顔にかかった髪を、そっと耳にかけなおすしぐさ、
    何気ないその娘の動きを、つい目で追ってしまう。
    上手い具合に、満員電車の中、
    その娘の後ろにいけると、匂いをかいでしまうこともある。
    シャンプーの香りか、香水の香りかわからないが、
    柔らかな女の匂い・・・。
    俺の妄想は、膨らんでいく。

    とは言え、何をするわけではないのだが、
    ちょっと前に、思わず
    「綺麗ですね・・・・。」
    と、その娘にだけ、聞こえるように、
    後ろから声をかけてしまった。
    満員電車の中のことだし、
    電車を降りるところだったこともあり、
    俺の声が聞こえたのか、聞こえなかったのか、
    俺の方を、振り返ることも無く、
    その娘は、朝の人波に消えていった。

    それから、時々、俺は同じように、
    その娘の後ろに立った時、声をかけていた。
    ある時、その娘が振り返ろうとした仕草が見えたが、
    満員電車で、身動きが取れないのがわかった。
    それを見た俺は、
    “別に、危害を加えるわけじゃないが、
     俺の存在を知らせたいな・・・。”
    なんて事を、思ってしまった。
    そして、いたずら気分も手伝って、
    あの日、用意しておいた紙切れを、
    その娘のバッグに入れてしまった。
    『いつも、綺麗ですね。
     毎朝、貴女に会えることが楽しみです。
               研      』
    30過ぎた男がすることでもないが、
    ま、ちょっとした楽しみだ。
    これで、訴えられることも無いだろうし。

    それにしても、いい女。
    そそられるんだよな・・・。
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