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    特別講習 No.1
    2007-11-14 Wed 14:03
    「今日から、ここが私の学校かぁ・・・。」

    私はRue。
    今日から、高校生活をスタートさせる15歳。
    父親の突然の海外転勤で、私の生活はめまぐるしく変わった。
    父親を一人にするのは出来ないと、急遽、母親までも海外に行くことになった。
    「私は、どうするの?
     もう、高校入学決まってるのにぃ・・・。」


    桜も散った3月半ば、入学予定だった高校を辞退し、
    全寮制の私立高校に入学することになった。

    彼らは、自分達の事で精一杯で、
    私が通うことになる学校に関しては、
    “寮があって、娘一人を置いていっても、心配の無いところ。”
    という、いたってシンプルな条件だけだった。
    「Rue、学校の先生や寮の先生のおっしゃることをきちんと聞いて、
     真面目な学校生活を送ってね。」

    両親は、そう言い残して海外へと旅立っていった。

    受験シーズンもとっくに終わっていたため、
    急な入学許可が取れたのが、この学校しかなかったというのが実情だ。
    この学校は、元男子校だったのだけれど、
    今年から、女子の入学も認められるようになったらしい。
    全寮制の女子寮も、しっかり完成している。
    私の荷物は、引越し業者が寮に運んでくれることになっていて、
    私は、入学式の準備をして、直接学校に向かっている。
    寮の自分の部屋を確認できるのは、入学式が済んだ後。
    全寮制だし、みんな同じところに帰るのだから、
    心配は無いだろうし・・・。

    私鉄の駅から、閑静な住宅街を抜け
    新緑の街路樹が続く並木道を抜けると
    赤いレンガで出来た二本の太い門柱の間に、大きな門が開かれていた。
    その中には、綺麗に整備されたキャンパスが広がり
    一番奥には、やはり赤いレンガの外壁。
    少しレトロな感じの校舎が、瀟洒なたたずまいを見せていた。
    「わぁ、なんだかカッコイイ。
     今日から、ここが私の学校かぁ・・・。」

    私は、思わずつぶやいてしまった。

    校門をくぐり、私は校舎に進んで行った。
    「やっぱり、男子校だったって感じだなぁ。
     女の子、全然居ないやぁ。
     来る時間、早すぎちゃったかなぁ・・・。」

    私は、周りを見渡して、とても不安になった。
    ついこの前まで中学生だった私には、
    高校生の男子は、すっごくすっごく大きくて、怖くて仕方ない。
    今年は、何人の女子が入学するのだろうか。
    私以外に、まだ女子生徒の姿がない。
    「あ~ん、早く誰か女の子こないかなぁ・・・。」
    私は、視線を上げられないまま、
    うつむき加減に生徒用玄関に向かった。

    事前の通知で、私のクラスは1-Aと知らされたあった。
    それ以外の学校に関する情報は、まったく無い。
    制服がなく、上履きもない。
    靴のまま校舎にあがり、生徒用ロッカー室に向かう。
    授業で必要ないものは、各自ロッカーにしまって、教室に向かうことになる。
    海外ドラマでみるような、廊下にロッカーが並んでいるわけではなかった。
    私も、女子ロッカー室で、1-Aのロッカーの一つを開け、
    着ていたスプリングコートをかけ、通学用のバッグをしまった。
    筆記用具をもって、ロッカーの鍵をかけ、ロッカー室を出る。
    そのとき、更に不安になった。
    「あれ・・・?
     ロッカー室にも、誰も居なかったじゃんっ!
     ちょ、ちょっと・・・。
     女子、いつになったら来るのぉ?」

    でも、廊下にいても、2年生や3年生の男子がジロジロと私を見ていくだけだし。
    「とりあえず、教室に行っちゃおうっ!」
    私は、決心して足早に1-Aの教室へと歩き始めた。
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